今月の法話 2021年3月

お互い様だよね? いやいや わたしは “おかげさま”

 私たちが生きていくために欠かせないのが、1日3回の食事です。生涯に食べるお米の総量は約6トン、お肉やお野菜を合せると何十トンという膨大な量になるそうです。私たちは朝・昼・晩の食事において、お米・お肉・お魚・お野菜など数えきれない多くの“いのち”をいただいて毎日の生活を営んでいます。また私たちの口へと運ばれる食べ物は、心を込めて生産して下さる生産者の方、大切に運んで下さる方、商品を棚に並べ販売して下さる方など、多くの方々のご苦労を通して私たちの口に入ります。
 インターネットが普及して、お店に行かなくても家で様々な商品を購入することができるようになりました。パソコン画面の商品購入ボタンを押してからその商品が手元に来るまで人に一度も会わずに商品を手にいれることができる世の中です。そんな世の中では、時には自分一人で生きていると思ってしまうことがあるかもしれません。しかしどんなに世の中が便利になろうとも私たちは一人では生きていくことは出来ません。私たちは多くの命と多くの人々のお陰により毎日を送っているのです。多くの命と多くの人々に支えられてしか生きていけない存在なのです。そして今、私たちは阿弥陀様の大いなる願いに支えられて人生を歩んでいます。「大丈夫!必ず救う、われにまかせよ」「安心しなさい!一人じゃないよ、いつも一緒だよ」といつも阿弥陀様は私に呼び掛けて下さっています。阿弥陀様のはたらきは私たちの目で見ることができませんが、阿弥陀様のはたらきや願いに支えられながら人生を歩んできます。
 目に見えない多くの命のおかげにより、そして阿弥陀様のはたらきに支えられ阿弥陀様の願いの中で生かされていることに気づき、「ありがとう、おかげさま、もったいない」という感謝の心と謙虚な気持ちで生活することがとても大切です。だからこそ目に見えない阿弥陀様の恵みを喜び、お互いを敬い助けあいながら、「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」とお念仏を申す毎日を送りましょう。

〔食前のことば〕
多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。深くご恩を喜び、ありがたくいただきます。

〔食後のことば〕
尊いおめぐみをおいしくいただき、ますます御恩報謝につとめます。おかげで、ごちそうさまでした。

合掌

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