組長あいさつ

8年間をふりかえって  組長 石堂了正

 2期8年間、札幌組組長を任期満了で退任することが出来ました。先ずは組内44ヶ寺のご住職はじめ坊守様、寺族の皆様、そして門信徒の皆様に心より御礼申し上げます。
 過ぎてしまえば短くも感じますが、組長になる前の副委員長としての4年間を入れると12年間となり、僧侶としてとても充実した期間でありました。
 この12年前、本山では宗本区分が行われ宗派と本願寺が新たな形態で始まり、その宗派では運動体が基幹運動から御同朋の社会をめざす運動(実践運動)に改革されました。
 以来、それを学び理解する事から始まりましたが、いまだにしっくりこない部分も多く、宗務員の組長として職務の中で戸惑うこともよくありました。「宗本区分」「組長奥印」「都市開教」「伝道教化」「法要儀式」「賦課金制度」そして「領解文」…。時には執行部内で愚痴も聞いて頂き、組長会や教務所職員さんや所長さん、宗会議員さんとも議論しました。宗派の公聴会や本願寺にも意見を申し上げましたが、窓口までだったように思えます。
 しかし、そこだけを注視してても、大切な組としての取り組みは、はかどりません。先ずは北海道の札幌都市圏の寺院・僧侶として、札幌組の役割はとても大きな責任があると執行部で認識し共有しました。その上で私たちが今何をすべきなのか、何が出来るのか、地域社会との繋がりをどうしたらいいのか、執行部で考え、また皆さんと考え、議論を重ねてきました。そこで『後世に受け継ぐ基盤作り』をスローガンとして、組内寺院の融和を元に、あらゆる情報や社会の現状を整理し、一寺院では出来ないことを僧侶・門徒問わず、学校や葬儀関係機関など、幅広く連携し結集されました。それがすばらしい力となって事業をなし得てこれたのではないかと思います。
 8年前、執行部でのはじめての会議で、横湯副委員長から『これからは何が起きるかわからない時代、ぜひフットワークを軽くして、何に対してもすぐに対応出来る執行部にしましょう』と提案してくれました。その直後平成28年4月、熊本地震という大きな災害があり、今年1月の能登半島地震で任期が終わります。その間も札幌組内でも被害が出た胆振東部地震や日本各地や世界でも地震や豪雨などの災害が後を絶ちませんでした。そして世界的なコロナ感染症蔓延となり、その都度対応に追われてきました。
 東日本大震災の原発事故により未曾有の被害を受けられた相馬組とのご縁を一層深く続けてきた事もあり、私の念願であった災害対策委員会を設置することが出来たことは、とても大きな成果だったと思います。いつもご相談にのっていただいた寺院問題検討委員会、そして災害対策委員会の皆様に心より御礼申し上げます。
 実践運動では各事業や新たな教化団体の誕生など、様々な成果を有縁の皆さんと笑顔で共有出来たことが、何よりも有り難く嬉しかったことです。特に常任委員の皆様には心より感謝申し上げます。そして昨年11月の親鸞聖人御誕生850年立教開宗800年の法要と7月のイベント親鸞Summerでは、組内御寺院のお導きの中、若い力を中心に、後世に受け継ぐ素晴らしいご勝縁となりました。
 コロナ禍といえ、出来得なかったことや反省すべき点も多く、組内皆様に不行き届きの点が多々あったと思います。組長として、また委員長として深くお詫び申し上げます。
 最後になりますが、執行部として8年間共に尽力頂いた横湯氏、久朗津氏、打本氏、松本氏、そして4年間ご尽力頂いた藤井氏に、心より御礼申し上げます。今後は横湯組長さんを中心に、これまで以上に北海道をリードする組となるよう、一僧侶として協力していきたいと思います。ありがとうございました。
※皆様となし得た8年間の主な軌跡を記してみました。ご参照ください。
合掌