ご挨拶
暖かな日が続き、陽気に満ちた春となりました。組内各御寺院皆々様におかれましては日々お念仏相続のためにご精進のこととお慶び申し上げます。
さて、先般開催された札幌組臨時組会におきまして、石堂組長任期満了に伴い、多くの方々から御推挙を賜り、札幌組組長を拝命させていただきました。浅学非才ではありますが、皆様方の温かいご理解とご協力を賜りながら、組長という重責をお勤めさせていただきたいと思うことでございます。
又、お手伝いいただきます新執行部の構成につきましては、
組 長・実践運動委員会委員長 横湯 誓之(安楽寺住職)
実践運動委員会副委員長 打本 大志(大乗寺住職)
副 組 長 久朗津泰秀(大念寺住職)
副 組 長 松本 昇陽(真照寺住職)
副 組 長 長尾 光雲(福住寺副住職)
となります。格別のご高配と組内事業へのご協力を心からお願いいたします。
尚、この春より新体制で組運営を図るにあたり、実践運動委員会も新たな構成で活動してまいります。甚だ恐縮ではございますが、皆様の参画にもご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
組長 横湯誓之
今月の法話 2025年6月
私にとっての他人事 仏様からすれば私事

2023年10月7日にパレスチナのイスラム組織、ハマスがイスラエルに大規模な襲撃を行い、これに対してイスラエルがハマスの壊滅と人質の奪還を掲げてガザ地区への大規模な攻撃を始めてから2年半が過ぎました。ガザ地区は攻撃によって建物が破壊されて壊滅状態になり、死者は少なくとも4万1000人に上っていて、がれきの下になっていると思われる犠牲者は1万人に上ると言われています。そして激しい攻撃は今も続いています。
-イスラエルによって今年3月2日に全ての支援物資の搬入が停止されて以来、ガザ地区では飢餓と栄養不良が急激に悪化し、47万人に対し飢餓の最も深刻なフェーズである「飢きん」(IPCフェーズ5)の危機が迫っており、また全ての住民が急性食料不安に陥ると考えられます。さらにこの報告では、7万1千人の子供と1万7千人以上の母親が、急性栄養不良による緊急治療を必要としていると見込んでいます。-(ユニセフHPより)
さて阿弥陀仏は智慧と慈悲の仏さまです。慈悲の字をうかがってみますと「慈」の原語はマイトリ―といい、原意は「最高の友情」。「悲」はカルナ―といい、原意は「呻き」です。非は互いに背を向けた人の象形から、心がひきちぎられ、痛み悲しむを意味します。そうしたことから慈悲とは人々が抱えている呻き悶えるような苦しみに共感し、何とか救い遂げたいとする心の動きとはたらきを意味します。
平等心をうるときを 一子地となづけたり
一子地は仏性なり 安養にいたりてさとるべし
(全てのものを分け隔てなくみる心を得る境地を、あらゆるものを一人子のように哀れむ一子地という。この一子地は仏性である。浄土に至って初めて悟る事が出来る)
親鸞聖人はこの様な和讃をおつくりになって阿弥陀仏の慈悲のはたらきを讃えました。
全ての命あるものを一人子のように思い、自分の全ての思いをかけずにはおれないという阿弥陀仏の心のはたらきです。
慈悲についてこれを仏教では三つに分けます。
①小慈悲(自分の身の周りの縁のある人々へ起こす慈悲心)
②中慈悲(自分のいる地方や国などに起こす慈悲心)
③大慈悲(一切の生きとし生けるものに起こす慈悲心で仏の慈悲)
あらゆるものに執着心を起こし、且つ自分中心に生きている私達は「小慈小悲も無き身」と親鸞聖人は嘆かれました。一方で、その私達が「小慈小悲もなき身」を自覚しながら、仏の大慈悲に思いを寄せていく事はとても大切な事だと思います。
世界で起きている戦争-。私達にとっては「他人事」かもしれませんが、大慈悲を旨とする仏さまから見れば「私事」。大きなことは出来ないかもしれませんが、窮状に瀕している人々に想いを寄せることを忘れずに、募金など出来ることをしていきたいと思います。
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