今月の法話 2016年5月

「いただいた」事はすぐ忘れ 「あげた」事は覚えている傲慢な私

 神経症などの療法の一つに「内観療法」というものがあります。

 静かな場所で自分の過去を振り返り、小さい頃から今まで、どんな人にどんなお世話を受けたかを思い出す。それと同時に、その人たちに自分がどれほどのことを返してきたか、してあげてきたかを振り返る療法である。この療法を行うと、多くの人は、「自分にしてもらったこと」のほうが、「自分が人にしてあげてきたこと」よりもずっと多いということに気がつく。また、「今の自分があるのは、多くの人から支えられてきたおかげだ」ということに気づく。そこから、自分の生き方が変わっていく、という体験をするのである。柏木哲夫著『人生の実力』幻冬舎

 私が今まで気づかなくても私のことをいつも心配し「必ず救う、われにまかせよ」と呼びかけて下さっている阿弥陀様という大きなはたらきがあります。慌ただしい日常生活の中で少しの時間、自分の心を「内観」してみませんか? 今の自分があるのは多くの支えがあったからだと気づくことが出来るかもしれません。「内観」することによって「傲慢な私」から「謙虚な私」に変われるかもしれません。
浄土真宗の生活信条
一、み仏の光をあおぎ 常にわが身をかえりみて 感謝のうちに励みます

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