今月の法話 2016年4月

他者に出逢うことは「自己」を知ることである

 映画「劇場版NARUTO-ナルト-疾風伝 ザ・ロストタワー」の主題歌で西野カナさんが歌う『if』という歌があります。

♪ もしあの日の雨が止んでいたなら きっとすれ違っていただけかも いつも通りの時間にバスが来てたなら 君とは出会うことがなかったんだね もしも少しでもあの瞬間がずれてたら 二人は違った運命を辿ってしまってた ♪

 あの日、あの時、あの瞬間があったからこそ、今の「私」と「あなた」がいるのです。様々なご縁が重なり合って、今の「私」と「あなた」がいるのです。もしあの日、あの時、あの瞬間がなければ今ここに「私」と「あなた」は存在しません。まさに「有ること難し」の中でいただく「ご縁」が、今の「私」と「あなた」なのです。
 宗祖親鸞聖人は法然上人との出逢いにより真実の教えである阿弥陀仏の本願の教えに出逢われました。

「ああ、弘誓の強縁、多生にも値ひがたく、真実の浄信、億劫にも獲がたし。たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ。(現代語訳:ああ、この大いなる本願は、いくたび生を重ねてもあえるものではなく、まことの信心はどれだけ時を経ても得ることはできない。思いがけずこの真実の行と真実の信を得たなら、遠く過去からの因縁をよろこべ。)」『本典』「総序」

 真実の教えに出逢った私たちは常にわが身を振り返り、真実を求めて仏法聴聞していくことが大切です。

印刷用PDFファイルはこちら
PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。ダウンロード

法話バックナンバー