今月の法話 2009年9月

あらゆるいのちの犠牲によって 私は生かされている

 だんだんと夏の日差しも薄れ、これから実りの秋をむかえようとしています。私たちの住む北海道は全国的にみても、食料自給率が約200%と自然の恩恵を大いにうけて生活をしています。生産者の意識が高いなか、一方で消費する(食べる)私たちの考えはどうでしょう。近年の相次ぐ天候の変化によって作物の不作であったり、家畜などの伝染病によって食物の供給が低下したとしても、今の時代は技術の発達、諸外国からの輸入などで対応することができ、食べ物が全く手に入らないということは無くなったのではないでしょうか。
 私たちは、『生きる』という為に毎日食事をしなければなりません。米、肉、野菜、果物など色々なものを食べますが、それは、それらの『いのち』をいただいて、自分のいのちを養っているのです。
 私たちは当たり前のように食事ができる環境に生きて、大切なことを忘れてしまいがちです。私たちは生き物たちの『いのちの布施』を頂いて生かさせていただいています。「いただきます」、「ごちそうさま」はその感謝の表れです。感謝の心を養う大切な役割を果たしています。生産者の方、それを調理してくれた方はもちろんのこと、なによりも料理の材料となってくれたものへの「ありがとう」の感謝の気持ちから合掌し「いただきます」、「ごちそうさま」と言うのです。
 いつのまにか食べることも、生きることさえも当たり前になってしまった私たちです。ですが、私たちは日々『いのちのお布施』を頂きながら生かさせていただいているのです。

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