今月の法話 2010年2月

良き人間関係を築くには 愛語を用いよ 和顔もあればもっとよい

 皆さんは人と接した時、どのような対応をされると相手に対してよい印象をもつでしょうか?
 レストランで食事しているとき、店員の笑顔や接客がすばらしかったら、心まで満足して「またここに来たい」と思う、しかし、反対に愛想もなくムスッとした接客であったら、いくら料理がおいしくても気持ちが満たされることはなく「またここに来たい」とは思わないと思います。
 今回の標語カレンダーには、和顔愛語(わげんあいご)=和やかな顔、やさしいことばで相手に接することで良い関係が築かれると書かれています。私たちは何も持たずとも笑顔やことばひとつで相手のこころを幸せにすることができます。これは仏教において、立派な布施行の一つなのです。布施と聞くと、お金や物を持っていないとできないことと思いがちではございますが決してそのようなことはありません。まだことばも喋ることのできない赤ちゃんの笑顔に癒されたり、顔は見えずとも電話やメールのことばに救われた、和やかな顔ややさしいことば、相手を思いやる気持ちだけでも、人を幸福にすることができる、そして同時に自分自身も幸せになれるのが和顔愛語です。
 人間だれしも自分よがりの考えになりがちです。相手の気持ちを理解したつもりでも結局は自分の意見をおしつけてしまっていることがよくあります。相手を思いやるということはまず自分が相手を受け入れることからはじまります。ひとつひとつの出逢い、巡り合わせは偶然といってもよいもの、せっかくいただいたこのご縁を大切にするためにも日々の生活から和顔愛語を実践することで、仕合せが幸せを運んできてくれるはずです。

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