浄土真宗

教章制定についての親教

 宗祖親鸞聖人の御生誕八百年・立教開宗七百五十年を控えた1967(昭和42)年4月、当時の宗門を憂えられた大谷光照門主が「浄土真宗の教章」を定められ、親鸞聖人の流れをくむものとして、心に銘ずべき肝要を示されました。以来四十年余り、そのご教示は、浄土真宗門徒の信仰生活の規範となってきました。
 一方、宗門は1946(昭和21)年に制定された「宗制」を根本にして活動してきましたが、このたび「宗制」が改正され、時代を超えた不変のことがらと時代に即応すべきことがらが整えられました。それにともなって、新しい教章を制定いたします。

浄土真宗の教章(私の歩む道)

宗 名 浄土真宗
宗 祖(ご開山) 親鸞聖人
ご誕生 1173年5月21日 (承安3年4月1日)
ご往生 1263年1月16日 (弘長2年11月28日)
宗 派 浄土真宗本願寺派
本 山 龍谷山 本願寺 (西本願寺)
本 尊 阿弥陀如来 (南無阿弥陀仏)
聖 典 ・釈迦如来が説かれた「浄土三部経」『仏説無量寿経』『仏説観無量寿経』『仏説阿弥陀経』
・宗祖 親鸞聖人が著述された主な聖教『正信念仏偈』(『教行信証』行巻末の偈文) 『浄土和讃』「高僧和讃』『正像末和讃』
・中興の祖 蓮如上人のお手紙『御文章』
教 義 阿弥陀如来の本願力によって信心をめぐまれ、念仏を申す人生を歩み、この世の縁が尽きるとき浄土に生まれて仏となり、迷いの世に還って人々を教化する。
生 活 親鸞聖人の教えにみちびかれて、阿弥陀如来のみ心を聞き、念仏を称えつつ、つねにわが身をふりかえり、慚愧と歓喜のうちに、現世祈祷などにたよることなく、御恩報謝の生活を送る。
宗 門 この宗門は、親鸞聖人の教えを仰ぎ、念仏を申す人々の集う同朋教団であり、人々に阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝える教団である。それによって、自他ともに心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する。
 この「教章」は、わが宗門に集う方々に、ぜひ心得ていただきたい浄土真宗の要旨であるとともに、新たにご縁のできた方に、み教えを理解していただくための手引きでもあります。
 私たちは、近く宗祖親鸞聖人の七百五十回大遠忌をお迎えいたしますが、この大遠忌を機縁に、先人の方々が身をもって伝えてくださった親鸞聖人のおこころを深く受けとめ、浄土真宗のみ教えを混迷の時代を導く灯火として高く掲げ、人々に広く伝えながら、ともに世の安穏をめざして歩みたいと思います。この「教章」を身近に備え、折りにふれて参照し、浄土真宗に親しんでくださるよう期待いたします。
2008(平成20)年4月15日
門主 大谷 光真

浄土真宗の生活信条

み仏の誓いを信じ 尊いみ名をとなえつつ 強く明るく 生き抜きます。
み仏の光を仰ぎ 常にわが身をかえりみて 感謝のうちに 励みます。
み仏の教えにしたがい 正しい道を聞きわけて まことのみのりを ひろめます。
み仏の恵みを喜び 互いにうやまい助け合い 社会のために 尽くします。